「ヴァイブス」
辞書で引くと
”ヴァイブス(vibes)ー(言葉によらず伝わってくる)雰囲気, 心の中, 考え方”
とあります。
音楽やってるとよく聞くあいまいな表現がありまして、
「雄大に」とか
「悲しげに」とか
「70年代っぽく」とか
「ファンキーに」とか
「クラプトンっぽく」
とかはすべて、このヴァイブスからくるものだと考えられます。
例えばあるベーシストがバンドメンバーに「ファンキーな感じで弾いて」と言われたとして、そのベーシストは、自身が今まで見聞きしてきたバンドやベーシストの中から「ファンキーな感じ」の要素を取り出して、その要素を用いてベースを弾く訳です。
「ファンキーな感じ」というヴァイブスに対して熟練したミュージシャンなら、それが意識しなくてもできるのです。
ただここで重要なのが、「ファンキーな感じ」に対するイメージが、ベーシストによっては
マーカス・ミラーだったり、
ミーターズだったり、
レッチリのフりーだったり、
もしくはそれらすべてだったりするわけです。
つまり「ファンキーな感じ」に対して持っている「ヴァイブス」が人それぞれ異なったり、広かったり狭かったりするんです。
このヴァイブスが違う人or共通部分がない人達がアンサンブルで一緒になると、大抵うまくいきません。
ヴァイブスがズレればグルーヴのイメージがずれてしまい、いいフィーリングが出にくいのです。(世界にはこのヴァイブスをうまくコントロールして、全く違うヴァイブスを組み合わせて斬新なグルーブを生み出してる人がたくさんいますが、、、、)
つまり、いかにして様々なヴァイブスを理解することが、幅広いミュージシャンとうまく音を重ねることに必要なことなのではないかと思います。
ヴァイブスを理解するには、色んな音楽を深く聞き込み、フィーリングやサウンド、フレーズ、知識、雰囲気を体に染み付けることが第一歩かと思います。また、いいプレイヤーのプロフィール、インタビューなどを探して、そのプレイヤーのサウンドと言葉を照らし合わせることも、そのサウンドをイメージするのに役立つでしょう。
以上述べてきた様に、グルーヴにはいろんな要素が複雑に交じり合い、多種多様です。
理論に当てはまらない不思議なグルーヴもあったりします。
どんなグルーヴを目指すかも自由。どんなグルーヴを出すかもあなた次第。
だからこそグルーヴは奥が深いんだと思います。